UA-196157297
最近の子どもは体力がないとよく聞きませんか?
公益財団法人日本レクリエーション協会「子供の体力向上ホームページ」によると、同じ11歳の子どもの体格と運動能力を比較したデータが掲載されていますが、下記の表のようになっています。
体格・身体能力の比較
男子 | 女子 | |||
昭和60年 | 令和元年 | 昭和60年 | 令和元年 | |
身長(cm) | 143.2 | 144.9 | 145.5 | 147.1 |
体重(kg) | 36.5 | 37.6 | 37.8 | 38.9 |
50m走(秒) | 8.8 | 8.9 | 9.0 | 9.2 |
ソフトボール投げ(m) | 34.0 | 26.7 | 20.5 | 16.4 |
今の子どもの体は、約30年前の子どもに比べて大きくなっています。
しかし、運動能力はどうかというと、残念ながら低下しているというのが現実です。
これだけのデータでは単純に結論はつけられませんが、大きくなった体を動かすための筋力が不足していると考えられます。
子どもの筋力不足は、やはり今の子どもは体を動かして遊ぶ機会が減ってきていることが原因と考えられます。
これは、子どもがゲームやスマホを使う気かが増えているためと考えがちですが、我々国民の意識の中で、外遊びやスポーツの重要性を学力と比べ軽視していることもあると考えられます。
また、最近はケガすることを恐れより安全に遊ぶ状況にもなっていると考えられます。たとえば、雲梯は落下する危険性を回避するため、真ん中の一番高い部分でも足がつくように設計されています。
子どもの安全性を重んじることは重要なことで、否定すべきことではありませんが、その反面子どもの体を動かす機会を奪っているのも事実です。
人間の脳には生まれた時点で約140億個の神経細胞があるといわれています。
この神経細胞はあるだけでは機能しません。
人間の脳は生まれた時点で空のコンピューターのようなもので、ハードディスクやメモリはあるものの、プログラムが書かれていない状態のパソコンです。
ここに体を動かすためのプログラムを書き込んでいく必要がありますが、人間の場合は自分で何かをすることで書き込まれていきます。
例えば「口を開ける」という動作をするためのプログラムを書き込むためには、脳から「口を開ける」らしき指令を出して、試行錯誤の末、実際に口を開けることができ、その成功を確認することでプログラムが書き込まれます。
人間の脳には生まれた時点で「口を開ける」ために必要な各筋肉を動かしたりするための神経細胞を持っています。この神経細胞単体では機能しないので複数の神経細胞が連携してやっと「口を開ける」という動作ができます。この連携の仕方がプログラムになります。
子どもは体を動かせば動かすほど、遊べば遊ぶほどこのプログラムをたくさん獲得していきます。
すばわち、身体を動かせば動かすほど、運動すればするほど、脳は活性化していくのです。